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INTERVIEW

People of aba Vol.01

代表取締役 宇井吉美

───宇井さんは会社に勤めずに起業されたわけですが、仕事環境についてどのように考えられていますか?

私自身がこれまで何かに縛られることなく好きに働いてきたこともあって、それぞれが好きなスタイルで、よりパフォーマンスできるかたちで働いて欲しいなという想いが強いです。フレックスや在宅勤務はもちろん、例えば夜に働きたいという人はそれでもいいと思っています。正社員を深夜に働かせることには法律上のハードルもなくはないのですが、工夫を重ねてやっています。

───正社員以外だとどういう関わり方があるのですか?

基本的には役員、正社員、パートナーという3つのレイヤーがあります。外部のパートナーの方の中には、私ですら2回しか対面で会ったことない人もいます(笑)。エンジニアの方の場合は、テレビ会議でのやりとりで十分だったりするので、地理的な制約からも開放されてよりabaに多様性が生まれていますね。

───ビジョンを大切にしている会社として、密に会っていたほうがニュアンスが伝わることもありそうですが。

私自身はもともとは対面主義なので、会ってじっくり話したかったりするのですが。私個人の思いと会社のビジョンとしての判断は切り分けないといけないなと思っています。「支えあいが巡る社会をつくる」というビジョンがあるので、より支えあいが巡る方を選択するという判断基準に立ち返るようにしています。ビジョンが私の上司だという感じで働いていますね。

───宇井さん自身はどのような働き方をしていますか?

一応9時に出社はしていますが、オンとオフもそれほどなく。というか、一日の中でも細切れなオンとオフがある感じですね。霜降りワークスタイルとでもいいますか(笑)

起業家には、起業家になりたくてなった人、経営自体が好きな人、やりたいことをやるために経営者になっていた人という3つのタイプがあると思うのですが。私は完全に3つ目のタイプなので、仕事をあまり仕事と思っていないかもしれません。

───社長が忙しく働いていると、社員へのプレッシャーになったりしませんか?

確かに社長としての自覚を持って、行動や発言をしないとなとここ数年で思うようになってきました。会社のメンバーが増えるにつれて、“社長”が言っていると受け取られることが増えてきまして。よくニュースになっているパワハラなどの問題もそうですが、自分の発言が相手に脅威を与える可能性もあるということを考えて、客観性を持って振る舞わないといけないですね。

───自主的に動いているメンバーが多いと思いますが、どのように会社の文化をつくっていっているのでしょうか?

会社のビジョン・ミッション・バリューに心から共感できる人を採用するようにしています。そうでないとお互いにとってよくないかなと。

私自身も自分の好きなことは一生懸命できるんですけど、自分の能力でうまく解決できない場合はスタックしがちでして(笑)。そういう時に、自然と支えあえるメンバーが増えてきていて嬉しいです。

───きっと、宇井さんは放っておけないタイプの経営者ですよね?(笑)

私にも至らないところがたくさんあるのですが、「完全にこいつの情熱に負け続けている」と創業メンバーの谷本にはよく言われています(笑)

スティーブ・ジョブズが初代のiMacを開発するときも、外側の箱だけ試作していろんな部署に理想を語っていたみたいなんです。ジョブズの場合は時空が歪むほどの熱量があったそうなんですが(笑)

そうやって理想をどんどん語っていくことも経営者の大切な仕事だなと実感してきました。

───今思い描く理想はどんなものがありますか?

排泄センサー「Helppad」が最終的にはシップになったらいいなと思っています。今はまだどうやってそれを実現できるのか具体性はないですが、それくらい存在感のないものにしたいなと。

とはいっても、アメリカでは非接着で充電する研究も進み、ドローンが飛び続けられる部屋というのも実現するくらい電力送信の技術の進歩しています。そう考えると、私たちの理想ももっともっとアップデートしていかなくてはいけないかもしれませんね。

聞き手:柳瀨武彦

撮影:小澤明子

 

People of aba Vol.02

管理部 部長 加治屋美保子

───abaにはいつ入社されましたか?

2018年の8月ですね。ちょうど一年ちょっと働きましたが、ものすごく濃い一年でした。社長の宇井さんからは3年くらい一緒に働いている気がすると言われます(笑)

───一年でいろんな変化があったのですね?

そうですねえ。私が入社したときは従業員も3名でしたので、今は社員も倍以上になって、オフィスも狭くなってきましたね。入社当時は昼間はポツンと一人で使っていたりしたのですが(笑)。一緒に走れるメンバーが増えて、とても心強く感じています。

───今は主にどのような業務を担当していますか?

今会社で唯一の事務職でして。人事と法務がメインなのですが、経理など事務職をほとんど担当しています。

これまでは主に営業畑で働いてきたのですが、前前職で法務もやっていたのと、人材会社で14年間勤務していましたので、思えば事務職は結構幅広くやってきたかなと思います。でも、会社全体の財務を見るのは初めてなので、まだまだ勉強が必要ですね。

───仕事をしていて、楽しいのはどんなところですか?

なんと言っても、社長との距離が近いところが魅力ですね。風通しもいいですし、任せてもらえる範囲が限りなく広いです。自分の判断が会社の未来をつくっていく実感があって、とてもやりがいを感じます。

───加治屋さんから見て、宇井さんはどんな方ですか?

私より年は10個ほど年下なんですが、大学生の頃から経営者として働かれているので多くの経験を積んでいるし、頭の回転が早いなといつも感じます。私は「Helppad」の意義と宇井吉美に惚れて入社しましたからね。

───abaのことを知ったきっかけは?

転職を検討していた時に、エージェントの方が紹介してくれたんです。WEBサイトに「よく生きよく死ぬ未来づくり」と書かれていて。それがすごく印象に残ってエントリーしました。

───もともと介護という分野に興味があったのですか?

ちょうど転職しようと思っていた時にダブルケアの状況でして。家から1〜2時間くらいのところに住んでいる義理の父のところに通って週末介護をしていたんです。子育てや介護などで自分のキャリアがストップしないようにしたいと宇井さんが熱く語っていて、ものすごく共感しました。

───abaは働き方も柔軟そうですよね。

そうですね。在宅で仕事をしているメンバーも少なくないです。ただ私が担当している法務は、書類や印鑑がついてまわるので結構出社していますね。それに、宇井さんの近くにいた方が、進めやすいというのもありますし。

家に帰ってから仕事することもあるので、業務時間は短いというわけではないのですが、あまりそれが苦にはなっていないですね。うちは子どもが4人いるので、融通が効くのは本当に助かっています。

───これからもメンバーが増えていくと思いますが、どんな人と一緒に働きたいですか?

やっぱり自分の足で立っている人がいいですね。abaという社名はAwakened Bunch Activityの頭文字なのですが、『自発的に動く人たち』というような意味なんです。

今の社員はそういう人たちばかりで、肩書に縛られずに支え合うことができています。

───いま個人的にやりたいことはありますか?

勉強欲がすごくあります。法律についてもそうだし、介護業界についてももっと深く知りたいです。介護施設に出向いて会社やプロダクトについてお話させていただく機会もありますしね。

まだまだ小さなチームですし、自分の価値が高まることが会社の価値に直結するので、楽しみながら仕事をして、介護の未来に貢献していければと思っています。

聞き手:柳瀨武彦

撮影:小澤明子

 

People of aba Vol.03

技術開発部 山本泰基

───abaではどのような業務を担当していますか?

役職というか肩書きでいうとプロジェクトマネージャーです。abaの中で走っているいくつものプロジェクトの進捗管理やメンバーへの指示出しなどがメインですね。

今現在はHelppadのWEBアプリケーションの開発での、外部のデザイナーさんとの連携を行っています。

新しいプロダクト開発に向けて、介護現場の課題を洗い出して、プロダクトがお客さんに提供できる価値とすり合わせていくなんていうことも多いですね。

───全体を俯瞰視するようなポジションだと思いますが、プロジェクトはいくつ動いているのでしょうか?

細かく分けると数え切れないくらいありますが(笑)大きく分けると3つですかね。排泄ケアシステム「Helppad」関連。次世代機のハードウェア開発。介護施設からの依頼されている介護ソフト開発。大学生と一緒に開発を進めているものもあります。

───入社してからどれくらいになりますか?

2018年入社で、もうすぐ一年というくらいですね。これまではずっとSES(システムエンジニアリングサービス)業界で、システムエンジニアをしていました。大きな会社に常駐して、プロジェクトの開発メンバーの一人という役割で。地元の北海道と東京で3社ほど働いて、去年abaに来ました。

───これまでとは会社の規模感など違いますが、どうしてabaに移ったのですか?

10年以上SEをしてきて、客先常駐というかたちではなく、自社プロダクトを持っている会社で働きたいと思うようになりました。求人サイトでたまたまabaを見つけて、すごく惹かれて転職をしました。

───自社プロダクトをつくっている会社は他にもあると思いますが、どうしてabaを選んだのですか?

僕の妻は看護助手をしていて、弟は介護現場のスタッフでして。家族の中でも介護業界の話を聞くことは多かったんです。現場の大変な面も耳にしていました。

家族の仕事を助けるプロダクトをつくることができたらいいなというのが最初の思いでした。それに、abaで開発しているプロダクトについて家族に相談もできますし。現場に導入したけれどあまり役に立たないプロダクトもあるということも聞いていたので...(笑)

───実際働いてみてどうですか?

介護業界を変えたい!という強い思いがあったわけでは正直ないですが、今は現場で働かれている方の声を直で聞くことも多いので、じわじわと気持ちは強まっています。WHY思考というのでしょうか。何のために目の前の仕事をしているかに納得感があると気持ちよく働けるなと思うことはよくあります。

───大変なことも多いですか?

やることが多く、しかもスピード感も求められるので、状況の可視化を丁寧にやっていきたいなと思っています。大変と感じるか、やりがいと感じるかは人によると思いますが、自分で考えることが求められるのは嬉しいですね。

───働く環境としてはいかがでしょうか?

働き方の融通が効くことはabaのものすごくいいところだと思います!うちは小さいこどもがいるので、今は8割くらい在宅勤務にさせてもらっていて、育児をしながら働けています。

育児とか介護の事情でキャリアが止まってしまっているエンジニアさんにabaのことを知ってほしいですね。

───社員の仲に信頼関係がちゃんとありそうですね。

あまり出社していないのでメンバーと雑談したりすることは少ないのですが、基本みんな仲いいですね。みんなでランチでラーメン食べに行ったりとかもよくあります(笑)

子育てしている人も多いですし、それぞれのライフスタイルがわかっているので、プライベートを尊重しあっていて、それがとても助かっています。

───どんな人にabaに加わって欲しいですか?

abaのビジョン・ミッション・バリューに本音で賛同できる人に入ってきてほしいです。そういう人にとって本当に楽しめる職場だと思います。特に「支えあい」をとても大切にしています。

何かに忙しく追われている時に「これやっておきましょうか?」って自然に言いあえる空気があって。aba(=Awakened Bunch Activity)の「積極的に気づく人、自立した人」という社名がちゃんと企業文化になってきているような気がしています。

聞き手:柳瀨武彦

撮影:小澤明子

 

Vision of aba

───abaは「支えあいが巡る社会をつくる」というビジョンを掲げていますが、どういった想いが込められているのでしょうか?

会社のメンバーが増えてきたこともあって、自分たちが向かっていく方向を言葉にしておこうと、一年くらいかけてできあがった言葉なんです。そこには大きく二つの想いがありますね。

一つは、介護の現場を支えたいという気持ちです。中学生の時に同居していた祖母が病気になり、要介護者を初めて目の辺りにしました。少しでも介護する人の負担を減らしたいと強く思い、それからテクノロジーで介護業界をサポートしたいと大学に進学し、起業して、プロダクト開発の傍ら介護現場でも働きました。

多くの介護の現場に関わる中で、介護をするには経験値が必要であること、そして経験を積むには結構時間がかかるということがわかったんです。それで、どんな人でも必要な時に介護ができるるような社会をつくりたいと考えるようになりました。

───経験を積む時間をある程度テクノロジーでカバーできるのではないかと考えたのですね。

そうですね。そして、二つ目は、テクノロジーと介護の融合を進めたいということです。

製品を開発するようになって思うのは、介護機器がなかなか現場に浸透していかないということ。そこには現場で働く人とプロダクトを開発する技術者の距離が遠すぎるという問題があると感じています。一概には言えませんが、介護者は人とのコミュニケーションに長けているけれど技術へのリテラシーは低い。一方エンジニアはテクノロジーは大好きだけど人とコミュニケーションをあまり取りたがらない。学校のクラスでも友達にならなさそうな両極端の世界というか(笑)。話が通じないこともあるので、ある程度の翻訳が必要なんです。

───宇井さんが両方の世界を行き来しているからこそ見えてきたギャップなのでしょうね。

お互いが共通の言語を持ってコミュニケーションを取ることで支えあうことができる。それは介護の現場の話だけではなく、職場だったり、地域でも同じことが言えると思います。「支えあいが巡る社会をつくる」には翻訳が不可欠であり、私たちの役割はそのあたりではないかと最近感じています。開発した排泄センサー「Helppad」もコミュニケーションツールなんじゃないかと。

───たしかに、要介護者の「助けて」という声を介護者に伝えるプロダクトですものね。

そうなんです。そういったコミュニケーションのギャップは様々なシチュエーションで存在しています。経験値の差がある介護者の間にも、介護者と施設の経営者の間にも翻訳が必要でしょう。私個人としても、"翻訳者であり、翻訳機を創る者"ということが今の自分の役割だと考えていて。自分が橋渡しをするだけじゃなくて、誰もが橋渡しできるようなプロダクトを生み出していきたいんです。

───abaや宇井さん自身のビジョンは介護業界の中に限ったものではなさそうですね?

2050年には要介護者の数が日本の人口の半分を占めるようになると言われています。もしかしたら、地域住民も消防団や交通安全の係のように当番制で介護をするようになるかもしれません。そうなればもう、業界の中だけで考えていける問題ではないでしょう。地域の暮らしにもどのように支えあいを巡らせていくことができるかを積極的に考えていきたいです。

スタッフパーカーには「必要な時に必要な介護を」と書かれている

───abaのビジョンについては、会社のメンバーともよく話し合うのですか?

そうですね。abaには役員、正社員、パートナーという3つの雇用形態がありまして。パートナーの方にはビジョンの理解を、正社員のメンバーはビジョンの体現を、役員メンバーはビジョンの更新をしてほしいなと常々考えています。ビジョンを設定しつつ、ビジョンを疑う姿勢も大切にしたいなと。

正社員は今は6名ですが、50人くらいまで増やしたいなと思っていて。一人ひとりが自立して仕事をして、社内にノウハウが蓄積していくチームを組んでいきたいです。

───そのためにはどんなことが大切だと思いますか?

社内でのディスカッションや、ビジョンについて話し合う機会を設けるのはもちろんですが、ビジョンが重なる人を採用するというのがやっぱり土台になるのでしょう。
abaの社名はAwakened Bunch Activityの頭文字を取っており、「積極的に気づく人、自立した人」というような意味合いです。指示をせずとも自分で考えて動き出せる人というのが採用の条件にしていますし、実際に他の会社でウズウズしていたような人が集まってくれています(笑)

定期的なワークショップでビジョンを深めていく

───介護現場で支えあいを巡らせるために、どんなことが必要だと感じていますか?

どんなに機嫌のよくない入居者さんも一瞬で笑顔にしてしまう伝説のヘルパーさんってたまにいるんですよ。でも本人にそのコツを聞いても「別に」と返ってくるだけで(笑)。長年培った勘のような技術を、言葉にしたりデータにしたりということができていないわけです。

───なんだか職人技のようですね(笑)

そうなんです。そういったある種のクラフトマンたちの技術やノウハウを分析して体系立てて、真似できるようサイエンス化することが介護の世界を進めるのではないかと思います。介護者と要介護者のやりとりを一つずつ蓄積していき、抽象化するということが適切なアプローチなのではないかと。

───とはいっても、人と人とのやりとりなので体系化も難しそうですね。

なのでセンシングが重要なんです。主観的な定性調査ではなく、客観的なデータを取ることによって介護の型のようなものを浮き彫りにできたらいいなと思います。型を一度つくってから、ケースによって臨機応変に型を破れるようにしていく。

───Helppadでの排泄データの蓄積がそのきっかけになるのでしょうか。

排泄は毎日のことですし、一つの生命維持活動ですので、とても命に近いデータです。介護現場だけでなく、介護業界全体のことを考えてもファーストプロダクトとしてHelppadを開発することができてよかったです。ここから支えあいが巡るきっかけをつくっていければと思います。

聞き手:柳瀨武彦

撮影:小澤明子

 
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